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2015.11.08

看取りからの宝物

アメイジンググレイスのメロディーが流れる中、平成27年4月から看取りケアをさせて頂き、この施設を旅立たれた利用者様の名前を読み上げていく。
先日、私が開催させて頂いた内部研修の終わり5分間での事である。
お名前を声を出して呼ばせて頂くと、その方々の笑顔が頭を過ぎる・・・そして、黙祷!!

特に夏から秋にかけて、私が担当させて頂いている利用者様が看取りでお亡くなりになられる事が重なり、職員一同、気持ちが沈んでいた。

日本は超高齢社会を迎えつつあり、高齢者の終末期の対応が課題である。現状では、終末を迎える場所は主に病院となっているが、過剰医療の是非・病院での受け入れ困難などの課題が浮上しており、終末期の過ごし方や医療のあり方が問われている現実がある。

弘済院第1特養でも、そのような時代のニーズに応えるべく2013年から、看取り支援をさせて頂いている。
そして、2014年、2015年と看取り支援の割合いは、増えており、それに伴い、施設では、よりきめ細やかなケアを目指していかなければ・・・と職員の思いは、大きくなってきている。

家族様と共に看取らせて頂く度に、思うこと。「もっとしてさしあげれる事があったのではないか・・・」
「私たちのしたことは、間違いはなかったか・・・」

看取りケアの後、私達職員で、必ず亡き利用者様の振り返りカンファレンスを行っている。
今、ケアマネージャーとして、私は、この振り返りの時間をとても大切にしている。

先日、行った振り返りでの職員の言葉をここで紹介させて頂くと
「どんなに上手く終末期を過ごせたとしても介護する側の自己満足にすぎないのかもしれない。普段の地道なお世話を大事にしたい。」
「私は、利用者様にあなたに逢えてありがとうと言いたい。」
「何があるかわからないという緊張感と一瞬一瞬に心を込めるという姿勢で今後臨みたい。」
「病院では、ベットの周りに医療機器があり、その音の中での最期になると思うが、居室で静かな音楽が流れる中で安らかな最期を迎えれた事がよかったと思う。」
「看取りを通して、この方は、たくさんの人から人望があるのだと感じました。そんな風に自分もなれるかどうか分からないけれど、人間関係というものにもっと真剣に向き合って大切にしようと思いました。」

若い職員は、「利用者様の死」に向き合うことで、本当にたくさんの宝を頂いている。
この宝を繋いで行く事が、看取らせて頂いた利用者様への供養になると私は信じて止まない。