初心に返る!!
昨日、書棚を整理していたら、こんなレポートが出てきた。
「社会福祉におけるホームヘルパーの必要性」と題し、原稿用紙3枚。ヘルパー2級取得時の研修で提出したものと思われる。まだ、介護保険がスタートして間がない頃だったと思う。
『「おばあちゃんがおかしいんだ。もの忘れがひどくてご飯を食べた事も忘れている。お母さんが困っている。」それは、80歳を迎えた祖母の認知症の症状を伝える父からの電話だった。
そして、それからは頻繁に父の愚痴ともいえる電話がかかるようになった。自分の母親が目の前で日々認知症が進行し、また、どうすることもできない現状がやりきれなかったのだろう。実家から離れて住んでいる私は、そんなやり場のない父の怒りとも嘆きともとれる話を「そう、大変ね。お母さんを助けて頑張って!!」と返事するしかできなかった。そうこうしている間に迎えた夏休み。子供2人を連れて久しぶりに帰省した私は、父の話がけっしてオーバーではないという事実を目の当たりにし、大きなショックを受けた。八月の暑い朝。祖母は、ウールの冬着で部屋から起きてきた。そして、朝食をとる姿は、もう子供に、小さい幼児に返っていた。
私は、その時、父のストレス、母の肉体的、精神的疲労度を察し、胸がしめつけられる思いだった。
祖母が、八十八で亡くなるまで両親の、特に母の苦労は口では言い表す事ができないものだったと思う。
食事・排泄・徘徊等‥対処は勿論、家を空ける事もできず、自分の時間をもつ事等、容易ではなかったろう。
そして何より認知症老人をほとんど一人で介護する母のストレスは口では言い表せないものだったと思う。
もし、この時、週の何日かでもたとえ何時間でも行政の福祉サービス・・・ホームヘルパーの援助を受けることができれば・・・今、あの頃を振り返って強く思う。
これから先、ますます高齢者社会となっていく現実を考えるに、高齢期必要とする日常生活援助のおいて、個別家族内での解決ではなく、社会的課題として解決を要請していかなければいけないと思う。
認知症老人の介護を何もかも一人で抱え込む事の無いよう・・・
ホームヘルプ制度が、もっともっと地域、自治体に定着していくべきだと思う。
そして、私もそのホームヘルプサービスの一員になる事ができればと祖母の年に近づいていく両親を想い、強く思う。 物理的なものだけでなく、心ある高齢者支援ができるヘルパーを目指して・・・』
このレポートを書いた頃は、介護保険のシステムが地域に定着してなく、母のように、一人で抱え込み、大変な状況の家族様が多くおられた事だと思う。現在は、たくさんの方が、介護サービスを利用し、家族様の負担も軽減されてきている状況であるが、ケアマネとして、福祉の仕事を志したこのルーツを忘れる事なく、これから、さらに、利用者様、家族様の思いに寄り添ってご支援できればと思う。
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