2015.02.14
「老い」を考える。
実家に帰った時の事だった。
ガレージの軒下に作られたツバメの巣に向かって、「こんなところに作って!!」と険しい顔の母。
おもわず「お母さん、何言ってるの?怖い顔して・・・」と私は、叫んでしまった。
母は、若い頃、小学校の教師をしていた。幼い頃、生徒さんや、父兄の方に慕われていた母は、私の自慢。
達筆で、絵画の指導に卓越していた母は、何人もの生徒さんをコンクール入賞に導いていた。
母の指導のおかげもあり、私自身も絵が好きで、小中校と何回かコンクール入選を果たした。
尊敬していた母。いくつになっても越えられないと・・・尊敬していた母。
地方にいる母から最近、心細そうな声で、電話がよくかかってくる。
「お葬式の夢ばかりみるのよ。今度、いつ帰れるの?」
「最近、寝れないのよ。」「お父さんが怒るのよ。」
週に何度も時間に関係なくかかってくる。
若い時は、周りの状況をしっかり把握し気遣いの出来る人だった。
今は・・・
自分の事で精一杯。余裕もゆとりもない・・・
ツバメに季節を感じる母はいない。
これが、老いるという事??
何を今さら言っているのか?
この仕事をして久しい私ではないのか?
家族の方々に、「親御さんの「老い」を受け止めましょう」なんて言ってる自分が、空々しい。
母を前にして、なーんにも分かっていない自分がそこにいた。
お母さん、ごめんね。次のお休みには、顔を見に行くね。