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2015.01.13

むかい風を歩くんだ。伊集院静より

昨日は、成人の日。
あるメーカーの新聞広告。伊集院静氏のこんな詩が、目にとまった。

むかい風を歩くんだ。

成人おめでとう。
今日からみんな大人だって?そんなはずがない。
一日で大人になれるわけがない。
どうしたら大人になれるかって?
こうだ、という答えはどこにもない。
その上、大人になるには近道もないし、
特急券も売っていない。
まずは家を出て、一人で、風の中に立ちなさい。
そうして風にむかって歩き出すんだ。
歩きながら自分は何者かを問いなさい。そうすれば君がまだ何者でもないとわかる。それでも一人で歩くことがはじまりなんだ。
上り坂と、下り坂があれば、上り坂を歩くんだ。
甘い水と、苦い水があれば、苦い水を飲みなさい。
追い風と、むかい風なら、断然、むかい風を歩くんだ。
どうして辛い方を選ぶかって?
ラクな道、甘い水は君たちに何も与えてくれないし、
むかい風の中にだけ他人の辛酸の声が聞こえるんだ。
真の大人というものは、己だけのために生きない人だ。
誰かのためにベストをつくす人だ。
金や出世のためだけに生きない、卑しくない人だ。
品性のある人こそが、真の大人なんだ。
どうだい?大人って大変だろう。しかしそうでもないさ。
ひと休みに一杯やれる。さあ大人にむかう君と乾杯。
大人にむかう君と乾杯。 伊集院静

成人を何回も迎えている私だが、まだまだ、大人に、なりきれてない・・・

ひと休みしながら、むかい風を歩いていこうと思った。
私には、ひと休みする時間は、残ってないか・・・