テルテルボウズ
大阪も見事に(?)梅雨入りし、この時期を待ちに待っていたカエル達も大喜び
・・・ん?
・・・・・大阪も見事に(?)梅雨入りし、この時期を待ちに待っていたカエル達も大喜び
6月の文字の上でも朝から大・・・
・・・おや?
よく見ると、この時期を待ちに待っていたはずのカエル達の中に、こっそり葉っぱの
傘をさしているカエルがちらほらと・・・
そう、実はこのカエル達、雨がちょっと苦手なカエル達なのです・・・
「カエルだからって雨が大好きと思ったら大間違い!」そんな思いを胸に、隣で楽しそうに
合唱している仲間の邪魔をしちゃ悪いと、今日も健気に葉っぱの傘で雨をしのいでいます・・・がっ!
さすがに毎日の雨で自慢の葉っぱの傘はもうビショビショ・・・
「そろそろ傘を乾かしたいな・・・1日だけでも晴れてくれたらいいのに・・・」と、
どんよりと曇った空を見上げていると、下の方からなにやら声が・・・
「どうしたんだい?こんなに素敵な天気なのに浮かない顔で空を見上げて・・・」
よく見ると、アジサイの葉っぱの上からカエルと同じく雨が大好きなカタツムリが
心配そうにこちらを見ているではありませんか・・・
「こんにちは、カタツムリさん。実は僕たちカエルなのに恥ずかしながら雨が苦手なんだ・・・
だからこうやって傘で濡れないようにしているんだけど、こう毎日雨が続くとそろそろこの傘も
限界で・・・1日だけでも晴れてくれたら傘を乾かせるんだけど・・・」と、どんよりと曇った空を
もう一度見上げようとすると・・・
「ははは!なんだ、そんな事恥ずかしがる事じゃないよ!誰でも苦手なものの1つや2つ・・・
いや、5つか6つはあるもんだよ!実は僕も塩が苦手でね!あれをかけられると体中の水分が・・・
って、こんな話しはどうでもいいか!でも、その傘本当にビショビショじゃないか!そろそろ乾かさない
と穴が開いてカエルさんが濡れてしまうね・・・」
「そうなんだ・・・せっかくの自慢の傘なんだけど穴が開いちゃうと・・・・」
と、今度は空を見上げずに下を向いてうなだれてしまうカエルさん・・・
その時です、「あっ!」と何かを思い出したような声を上げ、こちらに近づいてくるカタツムリさん。
「カエルさん!いい事を思い出したよ!この前、人間の子供が雨が止むおまじないの話しを
していたんだ。確か『テルテルボウズ』って言うんだ!」
「テルテルボウズ?聞いたことないな・・・どうやるんだい?」
「どうやるっていうか、『テルテルボウズ』って言う人形を作って、それに晴れるようにお願いをするんだ!」
「そうなんだ!それじゃさっそく僕たちも『テルテルボウズ』を作って晴れるようにお願いを・・・」
と、ここまで言いかけて急に黙ってしまったカエルさん・・・心配になったカタツムリさんが
「どうしたんだい?と」尋ねると・・・
「もし、ここで僕たちがその『テルテルボウズ』に晴れるようにお願いをしてこの雨が止んでしまうとするじゃないか、そうするとあそこで楽しそうに歌っている仲間達が悲しむかと思って・・・それにカタツムリさん、あなたもこの雨が大好きなんじゃないですか?雨が止むときっとあなたも困ってしまいますよね・・・」とさらに下を向いてしまうカエルさん・・・
しかしそれを見ていたカタツムリさん、「はははっ!」ともう一度大きな声で笑いこう続けました・・・
「なんだそんな事気にしてたのかい?確かに僕たちは雨が大好きだよ。でも晴れたら晴れたでこの自慢の殻の中で居眠りする理由が出来て好都合さ!あそこで歌っている彼らもそうさ!時には歌うのを止めてノドを休めないと、次の雨の時に歌えなくて困ってしまうじゃないか!」
そんな優しいカタツムリさんの言葉を聞いて安心したカエルさん、さっそく『テルテルボウズ』の作り方をカタツムリさんに教えてもらう事にしました・・・
「まずは適当な大きさの布を用意して・・・次に・・・・・・・・・・」
そんな感じで雨が苦手なカエル達が作ったのがこちらのテルテルボウズ。
人間の『てるてる坊主』と違い、白じゃなくて茶色のかわいい『テルテルボウズ』。
何で茶色かって?
もちろん、今頃自慢の殻の中で居眠り中の誰かさんの殻の色ですよ!
そんな優しい誰かさんに、雨の苦手なカエルより感謝をこめて・・・
・・・って、そんな設定全然ないんですが、こちらが4階の今月の作品です!
4階にお越しの際には是非見て行ってくださいね!
投稿者:甲斐