看取り後のケアカンファlレス~振り返り会議~
先日、H氏(私の担当だった)の振り返り会議を開催した。
看取りケアを振り返って、関わった職員で、出来た事、出来なかった事を出し合い、話し合う会議である。
会議を開催するにあたって、職員それぞれに、①利用者に対して ②家族様に対して ③スタッフに対して ④自分自身に対して ⑤総合評価 以上、5項目の記載レポートを提出してもらい、それを下に会議を進めている。
毎回そうであるが、看取りケアを振り返る時、利用者様を思い出し、また、職員それぞれの思いに触れる度、熱いものが過ぎる。
「お元気な頃は、機嫌が良い時は「お山の杉の子」という歌の冒頭部分の「昔々のその昔、椎の木林のすぐそばに、小さなお山があったとさ、あたっとさ。」という歌詞を楽しそうに歌っておられました。また、夜間帯はよくオムツを外して床に投げて、職員が見つけるとニヤッと笑われていました。姪御様が来られた際も、鰻や煮卵、お茶を召し上がったとよくお話してくださいました。そのようなお元気だった頃の姿を知っているだけに、最近の元気のない様子を目の当たりにすると、とても辛い気持ちになりました。 <中略>
絶飲食となり、身体のしんどさ、食べないしんどさを見ながらも何も出来ないもどかしさは、職員として辛いものがありました。逝去された後、ご本人の荷物整理をしていた際に、この服はもうH氏が着る事はないんだなあと思うと、本当に亡くなられたんだと実感が湧いてきました。たくさんの思い出をありがとうございました。・・・」
「N氏は温かい家族様に見守られて育ち、生きて来られた人なのだと思います。「じいちゃんこ、ばあちゃんこ、お家に帰ろうよ」とよく言っておられました。そして、最期まで家族様の精一杯のお支えに頭が下がりました。」
「私たちは、動けなくなったり、何も言葉がでなくなってからのN氏にもっと関わる事ができなかったのか・・・
全身状態の把握や心地よさの追求は、限界はないと思う。」
「N氏が喜ぶこと(ばあちゃんのまね)や嫌がること(髪の毛を触る、お風呂に入る)をしても反応が返ってこない寂しさは大きかったです。
今までの看取りケアをいかして出来たこと、看取りをこなしていく中で次第におろそかになってしまったこと、両方を受け止めてもっと丁寧な看取りケアをユニット全体で行っていけるよう努めていきたいです。」
「骨折、褥瘡、環境整備(パジャマ更衣)等、後悔の残った看取りだった。
そんな中、葬儀に参列した時、家族様から「本当にお世話になって・・・」と声を掛けてくださいました。申し訳なくて・・・この経験をけっして無駄にしない!強く心に刻みました。」
これらは、職員の記述の一部。みんな用紙に詳細に思いを綴っている。この思いを死生観の育成と擁立を目指して無駄にしてはいけないと強く思う。
~次へのよりよい看取りに繋げる為に・・・~