ぽかぽかプラン

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2015.04.05

花の命は短くて・・・

~花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき~
林芙美子が好み色紙によく書かれていたとか・・・

昨晩から花散りの無情な雨がふり、職場に向かう足元は、さくらの花びらでピンクに染まっている。雨に濡れた花びらは、滑りやすく、私の歩くスピードも自然とスローダウンする。今年の桜もこれで、終わりかなあ~

4月3日に、施設の園庭でお花見があった。朝から、曇り空。午前の部は、なんとか桜の木の下で、焼きそば、ぜんざいに舌鼓をうって頂く事ができた。午後から、雨が・・・
しかたなく、中庭の桜が望める廊下に場所を移し決行となった。それでも、利用者の方々は、
焼きそばを食べながら「おいしいねえー」 窓越しに桜を観て「きれいやねえ-」と笑顔を見せてくださる。
空を見上げて、「年1回のお花見なのに・・・」と恨めしく思う私であった。

次の日、皮肉にも、朝から青空が広がった。
昨日が今日であってほしかったと思わずにはいられなかった。
私の頭に、少し前に退院され、その後、少し元気のないTさんの顔が浮かんだ。「Tさん、昨日のお花見に来られてなかったなあ~。今日、お散歩に誘ってみよう!!」
「今日は、暖かいよ。桜を観に行きましょう。」「そうやね。行ってみようか。」
車椅子を押して、園庭に出ると、そこには、青空と満開の桜が、Tさんを迎えてくれた。
Tさんの顔は、自然と笑顔になり、会話も弾む。
「よかった。」私は、心からそう思った。そして、青く澄んだ空に感謝し、満開の桜に感謝した。

短い故の美しさ、はかない故の美しさ・・・
改めて、この施設の自然の恵みに感謝した。