2014.07.21
~もう頑張らなくていいんだよ~
ゼイゼイゼイ・・・酸素マスクの下にある口は、大きく開口され、傍らでみてるのが辛い位、それはしんどそうに呼吸を刻むYさん。
その時は、看取り会議開催から、僅か3日目にやってきた。
午後8時30分死亡確認。もう、あのしんどそうなYさんの呼吸を刻む音は、どんなに、顔を近づけても聞こえない。直接の死因は、心不全。
Yさんは、大動脈弁狭窄症を患っておられた。入所されてからも、心不全で入退院を繰り返され、
平成26年6月3日に退院後は、在宅酸素が手放せない状況になっていた。
Yさんのたった一人の息子さんは、東京の施設に入所されている。先天性の障害をお持ちなのだ。
その息子さんと東京と大阪に離れてから、手紙のやりとりをされていた。息子さんの手紙を宝物のように、懐にしのばせているYさんの姿は、いまでも私の心にはっきりと焼き付いている。
その息子さんが、「明日、来る。」・・・その日を待つことなく、息をひきとられた。
もう、待てなかった。しんどい。辛い。しんどい。辛い。しんどい・・・
傍らにいた、姪ごさんは、「おばちゃん、もういいよ。よう頑張ったね。もう頑張らなくてもいいよ。」息子さんが来るまで、もう少し頑張って!と思いつつも、そう、言ってしまう程、Yさんは、苦しそうだった。
そして、その2時間程して、Yさんは、旅立っていってしまった。
葬儀の日、息子さんは、施設の職員に両肩を支えられお母さんの慰霊に手を合わされていた。そして、まるで、小さい子供のように泣きじゃくっておられた。
棺の中のお母さんの顔をいつまでも、いつまでも見つめて・・・
湯灌を終えて、薄化粧をしたYさんは、うっすらピンク色に頬を染めやさしく微笑んでいるようだった。
~もう頑張らなくていいよ。大好きな息子さん、来てくれたよ~